ホームインスペクションと既存住宅状況調査の違い

既存住宅状況調査

平成30年4月に改正された宅建業法で中古住宅の売買の際に行われる重要事項説明に、既存住宅状況調査を実施している場合にはその結果について説明することが義務づけられました。

この調査を 行うことができるのは、既存住宅状況調査技術者の資格を持つ者のみ(建築士に限定)となっており、従来の建築士でないインスペクターの資格では行うことができません。
今までインスペクションという言葉も知らず実務経験のない建築士が、わずか5時間程度の座学講習を受けるだけで認定される驚きの資格です。

以前からホームインスペクションを行っている者からするとあり得ない調査です。状況調査資格ができるまでのインスペクターの数はスキルは別として恐らく1,000名程度だったと思いますが、状況調査により資格を得た建築士は3万から3.5万人と言われています。
一気に35倍もの数になったのです。利用する人はその中からきっちり診てもらえるインスペクターを探すことになったのですが、何を基準にどう探せばいいのか?ということになります。

建築士に限定されていることから当然『級』で選ぶ人が圧倒的に多いことは一目瞭然。
すなわち一級建築士の状況調査技術者です。ほぼ今までインスペクションをしたことがない人たちです。
国土交通省が定めた調査項目・調査方法により行いますが、通常であれば約1時間から1時間半もあれば終わる調査となっており、従来のホームインスペクションの内容とはかなりかけ離れています。

買主の為に現状把握するためのホームインスペクションが、うわべだけの十分に調査しないものになってしまいました。床下・小屋裏には当然入らず、建具関係の状況や設備の状況も不十分な調査です。
これでは買主さんの判断も難しくなるだけでなく、経験不足の状況調査技術者による見落としや誤診も増え 購入後賠償を求められることも多くなっているようです。


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仲介業者さんに頼らず自らいいインスペクターを探す目を養って下さい。


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