リフォームは新築工事の縮小版
リフォームは単なる模様替えではありません。たとえクロスの貼替や塗装のみの場合でも施工する者の知識がないと不具合が生じます。大掛かりなリフォームになると構造部分にも影響を及ぼすことも少なくありません。『その家』の造りに応じた施工法、使用材料等を的確に判断・選別できる目が必要不可欠です。
リフォーム業における問題の背景
今でも悪徳業者は途絶えることなく営業にやってきますが、近年異業種からのリフォーム業への参入が活発になり、消費者目線から信頼できる業者を判別する事が難しくなったように感じます。
『大手の看板があるから大丈夫』『地域で名前が浸透している電気屋さんだから大丈夫』等で決めていませんか?業者選びやリフォーム時のポイントをいくつか挙げてみたいと思います。
一つ目は建設業の許可をもっているかどうか。これは建設業法で定められているものですが、基本的に1,500万円を超える工事を受注する者は(単独工種では500万を超える工事)建設業許可が必要です。規定の金額以内であれば免許は不要なのですが、免許がない業者ほどいい加減な悪徳に近いともとることができます。正当な業者であればきっちりと免許を取得しているはずなので是非確認して下さい。
二つ目は工事を請負う業者が住宅全体の知識を有しているかどうか。工務店として注文住宅の受注をしているような業者はそのあたりは大丈夫かと思いますが、リフォーム専門業者は構造部分等の知識を有しないものが割と多いので注意する必要があります。間取り変更等を伴う大掛かりなリフォームの場合、構造部分に抵触する場合もあります。適当な工事は家全体の耐力低下にもつながります。
三つ目はご自宅のコンディションの把握を定期的に行うことです。ホームインスペクションを受けることにより、その時点での劣化状況が把握できリフォームを含めた修繕計画を立てることができ、リフォーム時に無駄な工事を勧められることもなく予算を抑えることも可能です。これまで業者に視てもらって任せきりの工事ではなかったでしょうか?
確かな知識・設計と熟練の精巧技術が「永く住める家」を造ります。
当然のことなのですが、建築に従事する人はプロでなくてはなりません。しかし、プロと呼べる人を探すことは難しい業界です。熟練した設計者や職人であっても知識のない人は問題外です。
目まぐるしく変わる法律や施工法、材料について常に勉強し知識を付けておかないと、5年10年前の施工とは全く違った結果となり施工不良を導くことになります。また現場は多種多様です。
全ての工法が全ての現場に適合することもありません。現場毎に適した施工法や材料を的確に選別する目も必要です。そう考えると小規模なリフォームであっても新築工事の縮小版として考えるべきでしょう。建築に関する知識は無限です。私共建築に携わる人間は、常に新しい知識を得るために学びいろんなケースに対応できるように努力し、また積極的に関係資格の取得に力を入れ、お客様に信頼・安心して頂けるよう万進するべきであると考えます。